ぬるま湯の組織?

『心理的安全性』のある組織とは、ぬるま湯の組織ではなく、学習する組織

心理的安全性という言葉を聞くと、安全で何をしても許される組織という誤解を生んでしまいがちです。お互いを受け入れて、仲良しで摩擦のない「ぬるま湯」の組織が本来の心理的安全性のある組織ではないのです。ただ単に安全で快適なだけの組織では、成果を上げることはできません。

本来の心理的安全性を機能させる上で重要なのが「仕事の基準(求められるレベル)」です。質の低い仕事でも問題にされず、期限も守られない職場は、心理的安全性は高いが仕事の基準・求められるレベルは低いということになります。心理的安全性は高いので、お互いに協力したり、意見を伝え合ったりして和気あいあいと仕事をします。しかしながら、求められる仕事のレベルは低いので目標未達成や、締め切りに間に合わなくても特に改善が行われるでもなく、変化のない組織です。

一方、心理的安全性は低いが仕事の基準・求められるレベルが高い職場はどうかというと、

チームや組織からの助けや相談にのってくれる人はいないが、高い目標を達成する事を求められる組織です。求められる仕事のレベルは高いので、それに応えようと努力をするため、モチベーションが高いように見えますが、どちらかというと未達成の際に詰められることに対する恐怖のモチベーションです。

では、心理的安全性も高く、仕事の基準・求められるレベルも高い組織はどうなるか、この組織こそ「学習する組織」なのです。挑戦や模索・実践から学び成果を出す組織です。うまくいかなかった場合でも失敗から学んで成果に繋げていきます。こうした組織では、下記の4つが努力する際の源泉となります。

1.成果が出ていないときにも、罰や不安ではなく相談に乗ってくれたり、アイディアをくれたりする。

2.組織・チーム・プロジェクトとして、大義や意味がある目標設定がされており、やりがいや成長実感が感じられる。

3.成果に至らなくても、望ましい努力をしている時には承認や感謝の言葉を伝えてもらえたり、より適切な行動を促してもらえたりする。

4.適材適所で配置されることで、自発的・自律的に努力できるようになる。

上記のように心理的安全性が高く、仕事の基準(求められるレベル)も高い組織では、「健全な衝突(ヘルシー・コンフリクト)が促進されます。健全な衝突が組織にどのような影響を与えるかというと・・・ 続きはまた次回

     参照:石井遼介著 心理的安全性のつくりかた JMAM

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