『健全な衝突(ヘルシー・コンフリクト)』こそ、組織の生産性を向上させるポイント
通常組織においては、衝突があるとうまくいきません。人間関係や仕事上の意見の相違、業務プロセスなどの衝突や対立等があると当然のことながら、社内の雰囲気は悪くなり、コミュニケーションに偏りが生まれ、報告・連絡・相談・確認が分断されて情報の共有がなされず、結果として判断や意思決定のスピードが遅くなります。
イメージしてみて下さい。人間関係の対立、即ち好き嫌いがあると然るべき情報が共有されません。仕事上の考え方の相違は意見の衝突を生みます。業務プロセスの衝突とは、「自分(自部署)に関係ない、他の部署の仕事だから知りません」といった無関心から、たらい回しの様な対応が生まれることなど、大きな組織ほど良くありそうです。
そんな中で、心理的安全性のある組織においては、仕事上の衝突・対立は業績向上に対して好影響を与えると言われています。
どういう事か、逆の場合を考えてみましょう。心理的安全性のない状態では、意見の対立はすぐに人間関係の対立となってしまいます。人間関係を維持しようとすると対立や葛藤を避けるため、違ったアイディアや意見が出にくくなります。これでは組織としての挑戦や模索をせず新しい経験や失敗にも繋がらないため、組織としての学習効果や生産性を向上させることにならないのです。
心理的安全性のある組織においては、肯定的な意見の衝突が行われ、より良い結果を創り出すためにはもっと良い方法はないか、新たなアプローチはないかと深く考えることにも繋がります。新たな方法などに取り組むことにより、成功のみならず失敗からも学んで次へ生かすという「学習して成長する組織」となっていくのです。
参照:石井遼介著 心理的安全性のつくりかた JMAM